いまなぜ精神分析なのか

 読了。読んでると、これって講演録って思う文体。そうではなくて、訳者さんが「読みやすいように」ということで気をつかっていたのだった。こりゃまさに「動物化」の議論とも繋がってくるにゃ。生―権力論=生物学的コントロール動物化というラインを批判したいのはわかるんだけど、動物化の根拠を人工環境=意味(フーコーの言葉をつかえば権力?)にまでひろげていくと、まあ、精神分析もまた「動物化」の側に入ってしまうのか。入ってしまわないのかはけっこう微妙なラインなのでは……。そうするとやっぱり、リアルとかリアリティというのが論点となるのかぁ。