善悪は実在するか

善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学 (講談社選書メチエ)

善悪は実在するか アフォーダンスの倫理学 (講談社選書メチエ)

 いちおう、最後まで読了。個人的には1章から3章までが楽しく読めた(というか、この線でのもう少し細かい議論が読みたくなる)。最後にケアの倫理学を持ってくるのはあんまり好きではないけど、問いを開いたままでおいておく姿勢には共感。4章の道徳に関する進化論的説明・互酬性は数土センセの『理解できない他者と理解されない自己―寛容の社会理論』の方がていねいで、また、法外の他者やサド的な個人主義の議論は、北田センセの『責任と正義―リベラリズムの居場所』の方がねちっこいですな。
 というか、個人的な問題だけど、ここらにあげたような規範性のはなしにはすごい興味があるのに、国家とか政治的なものにいくと、若干興味を失ってしまうのはなんでだろうか……。
 さて、それでは『道徳的実在論の擁護 (双書エニグマ)』にうつりましょうかね。