心と行為
- 作者: 西阪仰
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/02/27
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
おわりまで読了。
会話分析というよりも、相互行為分析っていう印象。
もちろんベースは会話分析なんだけど、
会話のさいの、体の向きであったり、視線であったりとかまで、
分析の範囲内に組み込んでいて、けっこう新鮮に、たのしく読めた。
第5章で、伝統的な社会学とエスノメソドロジーとの違いをちょっと述べていて、ざっくりまとめると、
- 伝統的社会学
表現を修復することで「厳密な」定義・説明・解釈を試みてきた
=新しい意味や根拠付けをつくりだす営み
すでに眼前にある表現や行為の理解可能性がいかにして組織的に産み出されてるかを吟味する営み
さらにガーフィンケルのたとえはちょっとおもしろい。
「従来の社会学は、何が屋根を支えているのかを見るために、壁を全部取り除こうとしている。壁こそが屋根を支えているものであるのに。表面にある様々な『夾雑物』」を取り除けば、深奥に(社会構造が支えている)『本質』が見えてくるはずだというのは、間違いである。」(180)