2008年をふりかえってみて、印象に残っていた本は

 夜な夜な2008年の日記を振り返ってみた結果、あんまり本読んでないことを実感。しくしく。(ここに書いてるのが全部だとは限らないけどさ……)それはさておき、自分が2008年に読んだもの(だから出版年は無関係)のなかで、現在でもおもろかったなと思えるものを以下5点ほどピックアップ。

  • 谷徹『意識と自然』

意識の自然―現象学の可能性を拓く

意識の自然―現象学の可能性を拓く

 「これが現象学だ (講談社現代新書)」の読後、この辞書みたいに分厚い本を読んだけど、すっごい勉強になった。今年は現象学系の本をけっこう読んでたようで、ほかにも、くせはあるもののハイデガーの使う言葉のイメージを変えてくれたものとして「ハイデガー=存在神秘の哲学 (講談社現代新書)」もなかなか。よくわかったのは、社会学のなかで議論されてる現象学(的社会学)と哲学のなかの現象学はだいぶ雰囲気が違うということ。

  • 金子洋之『ダメットにたどりつくまで』

ダメットにたどりつくまで (双書エニグマ)

ダメットにたどりつくまで (双書エニグマ)

 2008年の日記を振り返ってみると、後半は現象学、前半は分析哲学をなんとか勉強しようとしている自分がいたみたい。もちろん飯田先生の「言語哲学大全」はとても勉強になったんだけど、個人的にはこの本を読んで、分析哲学で問題となってることがすこしはわかったみたい。

クルーグマン教授の経済入門

クルーグマン教授の経済入門

 経済学素人が読むと、意外なことがいっぱい書いてあって、それだけでもおもしろかった。経済学素人が読んでもおもしろかったのは、「景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書)」、「1997年――世界を変えた金融危機 (朝日新書 74)」かな。もちろん数式はでてきません(笑)

親密性の社会学―縮小する家族のゆくえ (SEKAISHISO SEMINAR)

親密性の社会学―縮小する家族のゆくえ (SEKAISHISO SEMINAR)

 これはちゃんと出版年が2008年ではないですか(笑)前半部分の親密性の理論的分析の魅力だけでなく、後半部分の二次分析についての論文・文章を読んで、自分でも二次分析をしてみようといろいろ画策しはじめたので、そういう意味も含めて。

  • 伊藤剛『テヅカ イズ デッド』

テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ

テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ

 2008年を振り返ってみたところ、文芸系の本をあんまり読んでない自分に気づいた……。そのなかでもこの本にはけっこう食いついてて、思想地図とのからみもあってかわからんけど、少々わくわくしてたみたい。