閉じえぬ言及の環
- 作者: 盛山和夫,野宮大志郎,土場学,織田輝哉
- 出版社/メーカー: 勁草書房
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
要するに、行為ーコミュニケーションは行為ーコミュニケーションによって行為ーコミュニケーションたりうる。その意味で行為ーコミュニケーションの産出はautopoieticだが、それは「行為ーコミュニケーションがある」ということにつきている。「システムである」とさらにつけくわえる必然性はない。(115)
ルーマンは行為が観察の時点で確定されるとして、行為とコミュニケーションを区別した。けれども、本当は行為はつねに確定されないのではなかろうか。むしろ行為は確定的に存在するとすることが、確定されるしくみや確定することの機能の宛先として、「コミュニケーションシステム」を(実体性を代補した形で)召還しているのではないか。(116)
この論文への反論(だったような気がする)が、大著『ルーマン/社会の理論の革命』のなかにあった気がするがそこはちゃんと読んでなかったんだよな……。