見えないものを見る力

見えないものを見る力―社会調査という認識

見えないものを見る力―社会調査という認識

社会調査についての方法論というよりも、社会調査を考えるための入門書といったところ。第2部以外、読了。2部は、いろんな調査の紹介なんで、時間があるときちょぼちょぼ読むよ。
第1部では、アブダクションという推論形式を知り、第3部では、量と質という二項対立の非生産性とともに佐藤先生のけっこう熱い論文指導を感じた(笑)たとえば、こんなん。

伝えたいことは、実は単純である。調査し研究すべき対象が、そのまま丸のまま転がっていると思ってはいけないということに尽きる。……あなたという主体の想像力の内側に宿る〈問題意識〉が、現実の〈事象〉を、〈問題〉として切りとり、問う。そのことこそが、調査研究のプロセスを押しすすめていく、最も根本的なエネルギーだからである。(240)

本全体から垣間見える「熱さ」も含めて、多くの人がたのしく読める本では。