りはめ

りはめより100倍恐ろしい (角川文庫)

りはめより100倍恐ろしい (角川文庫)

「いじめよりも、いじりの方がおそろしい」って話であるとは、知っていたにもかかわらず、「りはめ」の意味がわからんかった。とはいえ、より、ってアクセントつけてよんだら、すぐにわかった(笑)

解説で斎藤環さんも言ってるけど、『野ブタを〜』と似た感じの小説。ラストにかんして言うと、ネタバレになっちゃうから、ほかの類似点を。
たとえば、両方の作品の主人公ともに、「ほんとうの私」を友だちにさらけだしたいとは思っている。でも、それをしてしまったら、イジられたり、傷ついたりするから、怖くてできない。「りはめ〜」だと、116pぐらいから出てくる歌詞とか、

誰もが本当の僕を知らねんだよ/仮面を取った僕を知らねんだよ/できるものなら/ヒーローのように助けてみろよ/できないんなら/それはそれで無視して下さい/でもできてほしい/ヒーローのように助けて下さい(119-20)

キャラなど作らずに本来の、裸の自分を割り切って曝け出した方が人生楽しくやっていけるのだと知りました。自分はそんなこと死んでもできないから、心から応援します。(198-9)


いわゆる「文学」とはちがうけども、読み出したら、なかなか止まらない、ある種のおもしろさ。